学園が目指すICT活用の促進に向けて、アクティブボード主体の授業スタイルに転換
津田学園は「自らを鍛え、育み、自らを誇れる人」を育てることを建学の精神に、幼・小・中・高等学校、専門学校を擁する総合学園として発展を続けている。
2013年9月に多様な学習形態に応える教育用IWB(インタラクティブ・ホワイトボード)を普通教室に導入。板書からICT活用への流れを一元化することで、授業の効率を飛躍的にアップさせている
導入事例
導入製品
アクティブボード587proシステム
導入のきっかけ
学園全体の取り組みとして電子黒板の導入を検討したのは2013年6月から。
さまざまな機種を比較した中で選ばれたのが教育用IWB「アクティブボード」だった。
すべての教員に使ってほしい
アクティブボードは、教員が作成した教材などのPC画面をホワイトボードに投影し、専用のアクティブペンで操作しながら、文字・画像・音声・動画などを活用できるのが特長。なかでも、高い評価を受けているのが黒板に板書をするような感覚で誰でも簡単に操作できること。同学園の採用も、まさにそこが決め手になった。
「電子黒板を導入するにあたっては、すべての教員に使ってもらわなければ意味がありません。そのため、まずは板書だけでも使ってもらおうと、アクティブボードを教壇中央に配置しました」と岡田副校長。
こうした学園の決意の表れを教員も受け止め、現在ではほとんどの教員がアクティブボードを使って授業を進めていると満足する。
「特に小学校では子どもの反応が良いこともあり、ここ半年でICTの活用が飛躍的に広がりました。板書時間を削減して時間が有効に使えることや、集中力が高まる分、学習効果も上がっているようです」。
また、教員自身の成長としても、教材づくりが盛んになって今まで以上に授業プランを組み立てるようになったこと。さらに、そうした教材を教員同士が共有することが授業の質の向上にも結びついていると評価した。
集中力を高める指導で学びの定着を
一方で、課題に挙げたのが高等学校での活用だ。より専門的な領域を扱う高校では、ICTを取り入れることに慎重な教員も多かった。そこで、アクティブボードを使いこなしている小中学校の授業を見学させたという。
「すると、それが教員の刺激になったのか、今まさに高校での活用も変わってきているところです。
しかも、学園全体のコミュニケーションにも良い影響を与えることができました」と思わぬ効果も披露した。
取材後に小学校の教室を覗くと、アクティブボードを使った国語や算数の授業が行われていた。いずれの授業も87インチの迫力のある大画面に教科書やワークシートの画像を映し、そこに書き込みや拡大などの操作を加えながらクラス全員の学びを深めていく。そんな教員の一挙手一投足に応じる児童たちの姿勢を見ると、既に新しい授業スタイルが確実に浸透していることが理解できた。
「今後は導入していない学年への設置を進めるとともに、iPadとの連携による協動的な学びなど、アクティブボードの可能性を広げていきたい」と岡田副校長。子どもたちが楽しみながら学習効果が上がるICT活用に向けて、学園全体でのさらなる活用に期待した。
(学習情報研究 平成26年5月号掲載)