アクティブボードによるスピーディーな授業で、
協働学習や探究する時間を生み出す
すべての生徒に「わかる」授業を実現するためにはどうしたらよいか—。滋賀県立虎姫高等学校(武友建史校長)では、2009 年度から教員が作成した教材などを電子ボードに投影し、文字・画像・音声・動 画などを同時に活用できる教育用 IWB「アクティブボード」(販売:株式会社ナリカ)を普通教室に配備し、そうした課題に取り組んでいる。ここでは、2年・化学を担当する掘 浩治教諭の活用を紹介する。
導入事例
導入製品
アクティブボード587proシステム
アクティブマルチメディアスタンド387pro
アクティブボード95
導入のきっかけ
2013年度に文部科学省「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定を受けた同校では、科学技術リテラシーと国際的視野をしっかりと身につけた人材を育成したいと考えている。その中で重視しているのが「探究力」「表現力」「協働力」の3つの力と「主体的な態度」「科学的な態度」という2つの態度を育むことで、こうした授業改善を実現する大きな力として期待しているのが「アクティブボード」だ。
IWBの強みを生かした授業を
2013年度に文部科学省「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定を受けた同校では、科学技術リテラシーと国際的視野をしっかりと身につけた人材を育成したいと考えている。その中で重視しているのが「探究力」「表現力」「協働力」の3つの力と「主体的な態度」「科学的な態度」という2つの態度を育むことで、こうした授業改善を実現する大きな力として期待しているのが「アクティブボード」だ。
各教室の黒板のとなりには87インチ大画面が鎮座している。導入当初から積極的に活用している堀教諭は「そのつど準備する必要があったプロジェクタと違って、いつでも臨機応変に使えるようになりました」と便利さを口にする。の上で、すべての生徒に学習内容を理解させるために、動画やアニメーションなどの「視覚化」や、画面への書き込みや拡大などの「焦点化」が貢献すると指摘。このような機能を生かす意味でも、学習内容ごとにIWBの強み生かす部分はどこかを検証した上で活用しているという。
また、そんな授業のための教材準備には、テキスト、画像、ビデオクリップなどを簡単に組み込み、電子教材(フップチャート)を作成できる付属のソフトウェア「アクティブインスパイア」を使用。「授業で板書した内容を含めて共有ファイルに保存できるので、授業の振り返りはもちろん、生徒の補習用としても効果的です」
目に見えない化学分野をわかりやすく
そんなフリップチャートで作った教材は、目に見えない分野を扱う化学の授業でも力を発揮する。たとえば有機化合物の分類を学ぶ場面では、最初に名前を使ってグループ分けさせたあと、隠しておいた分子構造体のイメージを表示させて特徴を明らかにする。あるいは、実際には時間がかかってしまう金属のイオン化傾向における水溶液の変化の実験なども、写真ですぐに比較できるので便利だと話す。
さらに、堀教諭が「アクティブボード」を活用する最大のメリットとして挙げるのが、板書にかける時間を省いて時間のゆとりを生み出すことである。「つまり、授業をスピーディーに進められる分、生徒たちに探究や協働する時間を提供できるようになりました」分子構造体 と評価。
実際にタブレットと連携して班ごとに実験データを共有する協働学習にも取り組んでいる。 一方で、このような興味関心を引き出し得た知識を定着させるためにはフラッシュカードやドリルで反復する、ネットでさまざまな情報へリンクすることも大事な過程であると続け。「今後もすべての生徒にわかる授業を実現させるという本来の目的に向けて、より工夫をこらした指導に努めるとともに、アクティブボードの良さを生かせる技術を高めていきたい」と意欲的に語ってくれた。
(学習情報研究 平成27年3月号掲載)