西南学院小学校 様

西南学院小学校 様


全普通教室にアクティブボードを配備!ICT活用の日常化や振り返りに威力


西南学院小学校(和佐野 健吾校長/福岡県) では、2010 年4月の開校に合わせて教育用 IWB( インタラクティブ・ホワイトボード)「アクティブボード」( 販売:株式会社ナリカ) を導入。普通教室のメイン黒板として活用することで、すべての授業において日常的なICT活用を実現し、教育効果を上げている。そこで、IWB を活用した授業の魅力について、山下順一郎教諭に話を聞いた。

導入事例

導入製品
アクティブボード378

導入のきっかけ
開校時から全普通教室に導入。とりわけ重視したのが、教室の前面中央にメイン黒板として設置することだった。


IWBを授業のメインボードに

2016年に創立100周年を迎える学校法人西南学院は、キリスト教主義に基づく教育を基盤に、保育所から大学院までを擁する西日本屈指の総合学園として発展を続けている。その中で専科の教員による授業や低学年時からの外国語教育など、特色あるカリキュラムで確かな学力の育成を図っているのが西南学院小学校だ。
さらに、「本校の授業をより魅力的に変え、児童の興味・関心を引き出すのに今や欠かせないツールになっています」と山下教諭が話すのが、教員が作成した教材などのPC画面を電子ボードに投影し、文字・画像・音声・動画などを同時に活用できる「アクティブボード」である。
同校では、これを開校時から全普通教室に導入。とりわけ重視したのが、教室の前面中央にメイン黒板として設置することだった。「これまで情報教育に携わってきた経験から、IWBは教室の中央に固定して欲しいとお願いしました。なぜなら、移動可能なものだと、使用頻度に差がついてしまうと考えられたからです。つまり、すべての先生にICTをより活用してもらうためには、IWBを普段から使える教室環境にすることが最善だと考えました」
次に、実際にアクティブボードを使っている感想を聞くと、まず書き心地が格段にいいことを挙げる。その上で「デジタル教科書を使った授業が多いため、子どもが顔を上げたまま対面式で行える点や、文書だけでは伝わりにくいイメージを膨らませるのに写真や映像を提示できること」と続けた。また、簡単に教材が作成できる付属のソフトウェア「アクティブインスパイア」も重宝しているという。


子どもの発表力がアップ
そんな山下教諭は2学期からタブレットと連携した授業にもチャレンジしている。取材したのは6年社会科「明治の世の中を作った人達の関係図をつくろう」をめあてにした授業だ。ここでは、写真やテキストなどをカードでつなぎ合わせるソフトを使って、明治維新に活躍した人物の関係図を作成させる。たとえば西郷隆盛と坂本龍馬は薩長同盟で関係があり、その坂本は勝海舟と海軍操練所で師弟関係だったことなど、子どもたちは班ごとに教科書や資料集からつながりのある関係を調べ、話し合いながらタブレットにまとめていく。

途中にはアクティブボードの画面に、班の制作状況をWi-Fi経由でミラーリングする機能を使って提示する工夫も。これは、最後に各班が発表する際にも活用していた。このように、アクティブボードは資料の提示や共通理解のツールとして活用し、学習のめあてやまとめなど授業の核となる部分は、IWBの両側に設置されたホワイトボードに板書して、子どもたちにしっかりとノートに記録させるよう配慮していたのが印象的だった。


「アクティブボードによる教育効果を1つ挙げるなら、自分の考えを前面に表示しながら説明できるので、子どもの発表力がアップしたことです。また、そこでIWB上に書き込んだものも含めて保存できるので、学習の振り返りにも効果的です」
普段から使える環境にないとICT活用は定着しない。その思いからスタートしたアクティブボードの配備。今後もこうしたツールを有意義に活かし授業の質を上げていくため、さらなる教師力の向上を皆で図っていく意向だ。

(学習情報研究 2015年1月号掲載)