東洋女子高等学校 様

東洋女子高等学校 様


「自ら考え、自ら学べる生徒」の育成に向けて、全教室にアクティブボードを導入


創立110周年を迎えた学校法人東洋女子学園 東洋女子高等学校(村上精一校長/東京都文京区)では、校舎の全面リニューアルに合わせて全教室に教育用 IWB「アクティブボード」(販売:株式会社ナリカ) を配備し、今年4月から多様な学習形態に応えるメイン黒板として活用を始めている。そこで、IWBを使った授業の魅力やねらいについて、本橋 清教頭に話を聞いた。


導入事例

導入製品
アクティブボード595proシステム


アナログ感覚で使える操作性
東洋女子高等学校では、平成26年度からこれまでの「一方通行」の教育を「双方向」授業やアクティブ・ラーニングへと転換を図る授業改革に乗り出す。それは、授業アンケート等で課題に挙がった「真面目に授業を受けているが、生徒の学習態度は受け身で自ら学ぼうとする姿勢が足りない」という問題点を克服するためである。 その上で、こうした授業改革を推進するICT機器の1つとして導入されたのが「アクティブボード」だ。
しかし、当初は自分で考え、発表することに適したタブレット導入を先に考えていたと話すのが本橋教頭だ。「なぜなら、電子黒板は投影機として使うもの、あるいは教材準備に時間がかかるといったイメージをもっていたからです。ところが、アクティブボードを試してみたところ、電子ペンでもチョークと同じような感覚で板書できるなど操作性も良く、教材も作りこむ必要がなく簡単に作成できることを知り、これなら今の黒板の使い勝手で多様な授業スタイルにも活用できると思いました」

つまり、「双方向」授業などに取り組む上でも、その足がかりとして「アクティブボード」が教員の力になると判断。その上で、少ない台数だと使用する教員が限られてしまうことから、全教室や特別教室への導入を決めた。


生徒の興味関心を引きつける

導入に先立ち、昨年秋から教員に対して使用方法の研修を何回も行った。したがって4月からの本格稼働もスムーズで、「生徒が前を向いたまま授業が進められる」「板書が減った分、アクティブ・ラーニングなどに時間が使えるようになった」など教員からの評判も上々。「特にベテランの教員からはもう一度自分の授業について見直すことができたという意見が聞けて、新しい刺激になったと思っています」と手ごたえを口にした。
そんな授業のための教材準備には、簡単に電子教材(フリップチャート)を作成できる付属のソフトウェア「アクティブインスパイア」を活用。しかも、作成したフリップチャートはサーバ上で共有しているため、他の教員の授業プランや板書の仕方を参考にできるなどの付加価値も生んでいる。

こうしたなか、最も効果を実感しているのが「アクティブボード」によって生徒の興味関心が高められたことだ。「1学年の最初の中間テストでは昨年と比べて20点以下の生徒がほとんどいませんでした。これは、わかりやすい画像や動画などを取り入れることで、授業に無関心な生徒がいなくなったことが理由ではないかと考えています」と本橋教頭。
今後は生徒を主体にした活動にも利用を進めていく意向で、すでに学園祭の出し物を発表するプレゼンに活用。「夏休み中に生徒が来て準備するなど例年より意欲的でした」と笑顔を浮かべた。


タブレットとの連携も期待
インタビュー後に各教室を回ったが、すべての教室で活用されており、着実に浸透していることが伺えた。また、タブレットも購入済みで、生徒各自が入力して「アクティブボード」に一括投影するなど、双方向授業における連携にも期待が高まる。さらに、この7月には「情報教育対応教員研修全国セミナー」の東京会場として利用されるなど、「アクティブボードの導入によって学内のモチベーションも向上している」と評価した。

(学習情報研究 平成27年11月号掲載)